何を経験したかよりも、どう経験したか
就労移行支援事業部 スタッフブログ

何を経験したかよりも、どう経験したか

花粉が飛び交う季節が苦手な 株式会社ジーエル 就労移行支援事業部天王寺オフィス スタッフの松田です。

 

いきなりですが皆さんに質問をします。

 

『他人に誇れるような経験や成果をあげたことありますか?』

 

この質問は、面接の場面でよく聞かれる質問です。

 

このような質問の回答を考えてみると、多くの人が「他人に誇れるような成果なんてない…」「大したことはやっていない」と思ってしまいませんか。

「成果」、「実績」、「達成感」などという言葉に見合うような経験があっただろうか?と思ってしまうことがありませんか?

 

 

例えば、前職で営業をしていた人が、「営業職として社内トップとして表彰された」とかであれば、「それを話そう!」と思いますよね。

しかし、同じ営業をしていた人でも、このような華々しい成績を残したことがない場合、「何を成果と言えば良いのか」と悩んでしまいます。

 

また、学生時代の部活動経験を話そうと考えた時に、「野球部のキャプテンとしてチームを引っ張り、県大会1位になった」という実績があれば、それを話そうと思うでしょう。

野球部に所属しながらもずっと補欠、ベンチにも入れなかったとすれば、「何を話せば良いのか」と思ってしまいますよね。

 

 

 

しかし、「絵に描いたような実績」がなければ「誇れる経験」「成果」とは呼べないのでしょうか。

 

 

『面接は「すごい経験」を競い合う場ではないのです』

 

華々しい営業成績を上げた人や、部活動のスタープレイヤーであれば、もちろんその経験を話せば良いでしょう。

 

しかし、ほとんどの人はそのようなスタープレイヤーではありません。

そのような人はごく少数だからこそスタープレイヤーなのであって、面接官もこのようなスタープレイヤーばかりを採用したいと考えているわけではないと思います。

 

 

そもそも、面接官は「私にはこんなすごい実績があります」という話を聞きたいわけではありません。

もちろん、そういう話があれば興味は持つでしょうが、ほとんどの人がそのようなエピソードがないことはわかっています。

 

それよりも「不本意な仕事を淡々と我慢して続けてきた」とか「環境が悪く満足のいく成果を出せなかった」という人が多いということを理解しています。

そして、そのような人を選考から外そうと考える面接官はいないと思います。

 

 

面接官は「すごい経験」をしていることを期待しているわけではないのです。

もっと言えば、「成果」や「実績」などの「結果」を知りたいのではありません。

 

「営業トップ」とか「大会で1位」といった結果だけを聞いても、それが人材価値の評価に結び付くわけではないのです。

 

 

 

『面接で伝えるべきは「どう経験したのか」である』

 

「結果」よりも人材価値を判断するためにはプロセスを見ることが大切です。

 

簡単に言えば、その結果に至るまでに「何を課題だと考えたか」、「どう課題を乗り越えようと考えたのか」、そして「どう行動したのか」ということ、つまり「どう経験したのか」を知ること伝える事が大事です。

 

 

「営業トップ」と言われても、それが事実であるかどうかを確かめることは出来ません。

仮にそれが事実だとしても、それは市場環境が変わったのかもしれませんし、全社的に好調だったのかもしれません。

運動部で活躍して良い結果を出したとしても、それは単に元々の体力的素質が高かったためなのかもしれません。

 

 

したがって、特筆すべき結果を出している人でも「営業トップ」とか「大会で1位」という「結果」だけを述べても、人材としての評価には繋がらないと思います。

結果を出すために「何を考え、どう行動したのか」がすごく大事なのです。

 

 

 

 

『自分の経験や行動の中で大切にしていたことを考えてみよう』

 

華々しい経験がないと感じる人でも、今までの職務や部活動の中で自分が大切にしていたことがきっとあるはずです。

 

顧客との信頼関係を築くために何を大切に行動していたのか、同じ部署のスタッフのことを考えてどう配慮した行動をしたのか、あるいは事務効率を上げるためにどんな工夫をしたのかなどです。

あるいは、レギュラーになれない中でも自分の能力向上のための努力を行い、また、他の部員の役に立つような行動を心がけていたのかもしれません。

 

 

このような地味に見える経験でも、その中に自分の使命ややりがいを見つけ、課題に真摯に向き合い、具体的な行動をしてきたということを述べれば、それはそれで組織の中で役に立つその人の「価値」を面接官は感じます。

 

 

「何を経験したのか」よりも「どう経験したのか」を良く考えてみること、そしてそれを表現することが大切なのです。

 

 

 

『自分自身の経験をじっくり見つめ直して発見することが大事』

 

多くの方の面接対策に関わる中で、中には「スター」と呼べるような人もいますが、それは本当にごくわずかです。

多くの方には、華々しい経験・実績はないのです。

 

ですから、ご自身では自分のアピールすべき「経験」は何なのかわからない、という人も多くおられます。

 

 

しかし、面接練習などで会話をしていくうちに、「これをアピールできる!」というものを発見できます。

ご自身では気づいていないことでも、過去を聞き出していくうちに、必ずといっていいほど「強み」のアピールに繋がる経験は見つけることができます。

 

 

したがって、「特筆すべき成果なんてないよ…」と嘆くのではなく、自分自身を見つめ直す事、何を大切にし、何に真剣に取り組んだのか、そしてわずかであっても結果に繋がったことを探していきましょう。

 

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